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2007年1月24日 (水)

ステーキの悲劇

 先日、ホテルのデリカッセンで売っている1枚200元もする肉厚のステーキを頂いた。貧乏性なので、まず1/2枚を食べた。さすがに肉厚で、肉汁が滴っておいしい。残りの3/2枚は、凍らせると味が落ちると思い、そのまま冷蔵庫で保存した。ゆっくり少しづつ味わおうということだ。

 月曜日は息子のテニスのレッスンであった。遅く家に帰ったら、うちのお手伝いさんが、「おなかがすいたでしょう」と言い、残ったステーキを焼いて出してくれた。出されたステーキを見て、私は目が点になった。ステーキはカリカリに真っ黒に焼かれて薄く小さくなっていたのだ!食べてみると、肉汁が全部出てしまっているので、味わいなんてまるでないし、肉がやけに硬い。これじゃあ、最低レベルの肉を買うのとおんなじじゃないか!

 まあ、お手伝いさんに何にも言わなかった私も悪いのだが、これにはあきれてしまった。解説すると、中国では最近まで牛肉を食べる習慣が無かった。食べるのはイスラム教徒で、中国では最近まで肉牛に飼料を食べさせる習慣が無かったので、牛肉は硬く筋だらけというのが定説で、牛肉は煮込んで食べていた。いためて食べるのは豚肉で、豚肉を半生で食べるのなんてもってのほかであるから、中国人にはそもそも半生の肉を食べると言う習慣がない。むしろ生の部分があると危ないとすら思っている。だから親切心で時間を掛けて3センチの肉厚のステーキが、5ミリのペロンペロンになるまで、辛抱強く焼いてくれたということになる。多分これは彼女の好意なのである。

 いくら彼女の好意だからといって、300元もするステーキが台無しになったのは、やっぱり不愉快なので、「高そうなものは、私に断ってから料理してねー。」と一言話して矛を収めた。うーん、やっぱり惜しいものは惜しい。

 最近は「これって、一体なによ!」と思うようなちょっとしたトラブルに巻き込まれていた。「私はちっとも悪くないのにサー」とちょっとだけ落ち込んでいたが、友人と飲んで憂さ晴らしをしたら、すっかりいい気分になった。長い目で見たら、多分こういうトラブルがあったことは、良かったのだろう。まあ、良い友人がいるのは、幸せなことだ。


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