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2006年10月13日 (金)

元墓地に建てられた家

 先日くだらないけど当事者にとっては重大なニュースを見た。北京の昌平区にある或る商品高級住宅区画で分譲された一戸建て住宅について、家主が敷地に木を植えようとしたところ、お棺が出てきて、更に人骨が出てきてしまったという問題。こういう問題はまずいみたいで、一日だけ報道されて、あとは報道されていない。

 全く高値で買った自分の家が、元々墓地だったところだなんて気色悪いに違いないと思う。但し私だったら、腹は立つけど、な~んにも言わずに、中古物件仲介業を通じて見知らぬ買い手に安い値段で売ってしまうんじゃないかと思う。知らぬ顔で婆抜きの婆を隣にゆずってから、退場すると思う。

 だって「一度払った金というのは、戻ってこないと踏んだほうがいい」と言うのは世の習いだし、ディベロッパーが使用済みの家を黙って払い戻ししてくれるとは思えない。

 多分ディベロッパーが何もしないのに業を煮やして家主がマスコミに持ち込んだんだろうが、こうやって報道されることは、家主にとって何にもメリットがないんじゃないかと思う。メリットがあるとしたら、愚痴をこぼす相手が現れたくらいなものである。

 報道なんてされた暁には、他の家主も文句を言い出すだろうし、ディベロッパーはなおさら払い戻ししてくれなくなる。全部払い戻していたら、経営が成り立たなくなってしまうからだ。それにこんなことが公になったら住宅を売ることが難しくなるだろうから、ディベロッパーの資金繰りは苦しくなり、なおさら払い戻しは難しくなる。またこんな家、誰も買いたくないから、中古市場に持ち込んでも、売れないか、売れても安く買い叩かれるであろう。

 共産党の国であるのか、中国人がそういう人たちだからなのか分からないが、墓地は日本に比べていい加減に扱われているように思える。夫の実家の墓地は朝陽区にあったが、革命のドサクサでそのまま工場になったらしいが、骨がどうなっているのかは誰も知らない。大方墓石を取り払って、骨はそのまま埋まっているんであろう。現代の中国人の骨への思いも日本ほどは強くなく、夫の父親の骨は散骨された。でも普通に考えて、お墓の上に住むのはいやというのが人情で、共産党の国であるけれど、結構人々は幽霊を信じていたりする。

 拉致被害者の横田めぐみさんの遺骨が偽物だった事件があるが、私はあれをみて、遺骨をどう扱うかの文化的背景が違うんじゃないかと思った。多分日本にとって遺骨は大切なものであるが、北朝鮮も共産党の国だから遺骨がいい加減に扱われていて、現地の人々もそれに対してそんなものであるとしか思っていないということなんじゃないかと思ったのだ。多分騙すとか騙さないとかの問題ではなく、単にその程度の国ということなんじゃないだろうか? 

 私自身は、今住んでいる家は畑の中にたてられたもので、田舎では畑の中の林の場所にお墓があるケースが多くて、私の住んでいるところがたまたまお墓になっている可能性がなくはないのだが、知らなければ何でもいいやと思っている。年を取ったせいか、知らなくて済む良くないことは知りたくないとか考えていたりする。

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