夜の散歩
昨日は帰宅すると急にカレーが食べたくなったが、ルーもカレー粉も切らしていたので、子供を寝かしつけた9時頃に、カレーを求めて近所をさ迷った。北京郊外の夜の散歩は、日本の昭和30年代っぽい風情があり、とても楽しい。写真を添付できればいいが、今吾がデジカメは子供達のおもちゃと化しているので、文章だけで想像してほしいが、都市インフラが整っていないので街灯がなく、店先が電球や豆電球で照らされていて、明かりと闇のコントラストが絶妙なのである。マンション群の入り口の広場では、暗闇の中で中華風のダンスソングが流れ、おばあさん達が華麗なステップでたるんだ体を翻して踊っている。少し歩いていくと市場横の繁華街で、よれよれの服を着たおじさんが、ラジオを聴きながら、たたずんで日常雑貨店やフルーツ店の店番をしていたり、たくさんの豆電球で照らされた安普請のレンガ作りの店の店先に、プラスチックの椅子と机が置かれ、地元の人たちがビールを飲んだり、焼き鳥を食らっていたりする。のんびりとした時間の流れがたまらず、観光旅行にきているような錯覚を覚えた。
ところで散歩の収穫はというと、カレーのルーは売られていなかったが、カレー粉は購入できた。まだ中国ではカレーライスは普及していないのだ。多分カレー粉は中国ではカレー粉炒めみたいな料理に使われているのだと思う。しかし味の素のレトルトカレーがかなり頑張っていて、北京から車で40分の郊外のスーパーでも販売されていた。散歩の途中で、血迷って、半透明のフリルや、きらきらしたビーズのたくさんついた、とても中国のオフィスや日本では着られないようなTシャツを見かけ、買いたくなってしまったが我慢した。
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