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2006年6月 6日 (火)

考古学が分からない労働者(2)

 工事現場の労働者による棺おけの略奪と破壊事件について、今朝の新聞で続報があった。考古学者が検証したところ、これは明代中期晩期の当時の現地富裕層の夫婦合葬の棺であり、きわめて考古学的価値の高いものだったそう。

 しかし2棺は、略奪されて、死体すらも行方不明になっている(⇒古代人の死体なんて、奪ってどうすんだろう??)し、合葬品の玉やら何やらについて激しい奪い合いがあったそうだ。合葬品の玉については、労働者が早速売りに出しており、回収できるものは回収し、また合葬品を奪ったことが明らかである労働者4名に対し、行政処罰が下されるということが書いてあった。

 こうした報道がなされることによって、現場監督の考古学現場への意識が高まるといいなあと思うが、闇から闇に葬られてしまう案件も実は多いんじゃないかとも思ったりもする。

 考古学遺物を、「宝物」としてしか考えられない労働者の貧しさを悲しく思うが、逆に自分の豊かさを幸せに思う。 

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