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2006年6月 8日 (木)

にせ薬

 最近の北京は過ごしにくい気候である。まず中国も温暖化しており、最近はとてもむし暑い。曇りの日が多くムシムシしている。湿り気はあるのだが、4月5月に黄砂が話題になったように、湿気はあるが砂埃はやまない。雨が降って大地を潤して欲しいものよと思うが、一昨日の晩にさらっと降ったきりである。

 黄砂については、フランス行きの飛行機に乗ったときに、ウルムチ上空からロシアに抜けたのだが、目覚めた時は砂漠の上で、湖(バイカル湖とアラル海の間にあるでかい湖、なんてったっけ?)の上空に至るまで延々と40分くらい黄色い大地の上を飛んだのが印象に残っている。これでは黄砂がひどくなる訳だ。

 そんなわけで、暑いわ、のどが痛いわで、今週の初めはあまり元気がなく、家で薬を飲もうとしたら、うちのお手伝いさんに「待て!」と言われた。彼女は私の掴んでいた薬の箱を確認して、「今、巷で○○ブランドの薬のニセモノが大量に出回っているという噂がある。○○ブランドの偽薬を飲んだ人が体をおかしくしたという噂があるから、これは飲まないほうがいい。」との事。。私はいつもチェーン店の「金象」という薬屋で薬を購入しているので、「正規店で買っているから安全ではないか?」と突っ込んでみたが、お手伝いさんによると、正規店でも危ないという。彼女によると、「○○ブランドは危ないが、××ブランドは安心」だそうで、もしかしたら、商業性のデマなのかも知れない。新聞にはこの噂は報道されていないが、中国人の口コミには信憑性があることもあるし、別のブランドでもいいので、とりあえずは別の薬を飲むことにした。

 実は偽薬については、5.6年前に報道で大きな話題になっていた。当時はまだ国営企業などに健康保険が残っていたから、保険で薬を無料で貰い転売する人もいてその温床があったし、期限切れの薬を買い取るというような広告があちこちに貼られていたのも問題視された。その後健康保険制度はなくなり、偽薬についても報道で危険性が報道され、偽薬の跋扈は下火になっていた。

 中国人の巷の噂というのは面白く、3.4年前の春節(旧正月)前の時期に、お手伝いさんから「バスには乗らないほうがいい。世を恨んだエイズ患者が自分の血液を注射器に入れ、バスで無差別に他人に注射したという噂がある。」と話してくれたことがある。当時はほんとかよと思ったが、後日本当に起きた事件だという報道があったので、びっくりしたことがある。

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