チベット鉄道
(第26日目)昨日、食堂で昼食を取っていたら、丁度食堂のテレビで鉄道の北京⇔チベット線が7月1日から開通するというニュースが放送されていた。なんでも北京を夕方に出て3日目の昼に到着するらしく、料金は一番安い座席で400元弱なのだそうだ。高山病対策も環境対策もばっちりだそうだ。
うちのスタッフが「こんな気軽にチベットに行けるようになったら、環境汚染が進むんじゃないか?」と発言していたが、私もそう思う。たまに北京のチベット料理の店に行くが、あの独特な風情がとてもよいのに、これによって漢化が進むという恐れがあるように思う。新聞によると、1日1本の列車は、食料や建築材料などの物資を運び、チベットからは特産品などを運び出すのだそうだ。多分観光業などでチベットは豊かになるのであろうが、北京と同じようなマンションが乱立したりする姿は見たくないものだと思う。
話しは変わるが、私の業種は殆ど出張がない業種なので、私は中国国内を殆ど旅していない。東北の友人が泊まりにきたときに、北京郊外の町を一緒にドライブしたら、「このへんの景色はうちの地元と同じ」といわれた。つまり北方地区だと、どこも乾燥した土っぽい環境に、レンガの家があるというような風景なのだ。南は南で上海付近の農村は独特の外観があるが、これはすでに見ているし、だいたいみるべきものはみたのだと、勝手に解釈している。また北京のアジア村付近に「民族園」というのがあって、各地の少数民族の住宅と踊りを演出している。ここには98年に行ったが、チベットの寺院はじめ、イスラム寺院なども再現されていて、民族の踊りもみて、土産物屋もみて、気分的に「もう、充分おなかが一杯」という感じになれる。あれで私は中国各地を旅した気になった。ついでに言うと、北京にはチベット料理屋も、モンゴル料理も、イスラム料理もあるしね。
こういう話をすると、「本物の良さが分からない、おばか」と言われそうだが、実は私は本物のアメリカやフランスよりもディズニーで体現される欧米が好きだったり、本場の中華やフランス料理よりも日本の中華やフランス料理が好きなタイプのよう。イミテーションものの法が、本場のよさを取り入れており、しかも適度に現地化されているし、ついてに言うと本場物に遠慮していてお値段も控えめだったりするので、実はいいんじゃないかと私は思ったりする。現実はいいことばかりではないので、イミテーションの理想化された世界でゆったり過ごすのもいいだろう。
話しを戻そう。新聞によると、チベット線が開通したことにより、アウトドアの店の売り上げが伸びているのだそうだ。ホワイトカラーの人たちがチベット旅行を計画しているらしい。
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