« 日本の校長先生来る | トップページ | 郵便屋さん »

2006年6月15日 (木)

北京の炭鉱のお話し

 今日の新聞で、今年6月までに北京の炭鉱で7件の大事故があり、合計12人が亡くなったのを受けて、「執法人員が、炭鉱の株主になってはいけない」「執法人員が、炭鉱主と一緒に飲んだり食べたりしてはいけない」という決定がなされたという記事があった。

 なんでも、執法人員が炭鉱の株主になっていることにより、事故が起こってもそれが隠蔽されようとしたり、事故規模が小さく報告されることが起きているのだそうだ。最近では不法採掘の問題もあり、不法に採掘された炭鉱跡で、何らかのきっかけで爆発や火事が発生するような事故も起きているという。昨年同期より報告される事故が多いようだ。

 北京というと都会のイメージがあるが、ちょっと車で走るとすぐ郊外で、郊外では石炭や石の採掘が行われている。例えば北京原人で有名な周口店付近にも実は炭鉱があって、今年事故も発生している。北京郊外には有名な鍾乳洞がいくつかあるが、それは殆ど炭鉱の採掘の時に発見されたものである。特に北京の西郊外から山西にかけては炭の名産地で、多くの炭を乗せたトラックが往来しているので、道が黒くなっている。

 石炭に限らず鉱主は、儲かっているようだ。というのは、だって許可証があって、ちょっと設備投資をすれば、石炭を手に入れることができるわけで、簡単にお金になるわけである。だから許可証のない盗掘も多いし、そういう盗掘では誰も管理しないから営利に走り安全対策が不十分で、事故が発生しやすいらしい。

 しかし事故さえなければ儲かるし、責任を追及されることもない(あ、大きな事故を起こして炭鉱主が死刑になった事件もあったと思う)。たまに王府井ホテルのエルメスなんぞに行くと、田舎臭い中国人おやじが、がんがんエルメス製品を買っていたりするが、それは炭鉱主とかなんかじゃないかという噂がある。

|

« 日本の校長先生来る | トップページ | 郵便屋さん »