ヘロイン売人の裁判
今朝の朝刊に興味深いニュースがあった。37歳の北京の男が、ヘロインを売ったことで死刑の判決が下ったというもの。この男、27歳の時に強姦罪で10年間投獄され開放されたはかり、裁判の席では「取調官に暴力を振るわれたからヘロインを売ったといったが、実は自分で吸っていただけ」と言い張っている。しかし仲間がすべて供述しているので、いくら言い張っても死刑になってしまったよう。
私が興味を持ったのは、この男がどのようにしてヘロイン販売人になったかということ。供述によると、石製品の転売で儲けることを考えて女友達と5月に雲南に行き、そこで知り合った地元の男の勧めで、そのまま国境を越えてミャンマーに行き、そこで大量にヘロインなどを買い付けたのだそう。雲南から、列車で石家庄(北京近くの地方都市。河北省省都)へ行き、石家庄から列車を乗って北京に戻り、ヘロインを北京各地で売って儲けていたらしい。
中国では、犯罪歴のある中国人がパスポートを持つのは困難と思われるが、その犯罪歴がある男が中国国境を越えてミャンマーに行って買い付けるってのが凄い。中国人の友人から「中国の辺境地帯は、国境の管理が緩やかで、地元の人間が平気で国境を行き来している」と聞いたことがあるが、多分そうなんだろう。
またそういう違法を手引きする人間がいるというのも興味深い。この男がミャンマーの言葉を操れるとは思えないから、いろいろな人間がこの案件に関わっており、この案件は氷山の一角で、大規模な麻薬犯罪集団というのがあるんじゃないかと思う。
私は麻薬犯罪とは全く縁がないので、麻薬犯罪市場は分からないが、北京のディスコなどで若者がヘロインなどを吸っていて摘発されたことなども、同じ紙面に掲載されているし、たまに「解毒」のために病院に入院する中毒者の話や、中毒者の犯罪の話も聞くから、それなりに大きいのではないかと想像する。
またこの男が雲南から、わざわざ石家庄経由で北京に戻るのも興味深い。雲南ー北京線だと手荷物チェックが厳しいから、摘発を逃れるための方法なのだそうだ。
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